魚料理

日本人のアラキドン酸摂取量は増加傾向

アラキドン酸は人間の生命維持に必須の脂肪酸。体を動かすエネルギーにもなる大切な成分です。
高齢者や乳幼児など、食が細く栄養が不足しやすい年代を中心に不足が懸念されていますが、実は現代人のほとんどが毎日の食事でアラキドン酸を十分に摂取できているといわれています。

・アラキドン酸は不足しがちな栄養素だった
その昔、菜食を中心としていた日本人の先祖は、たんぱく源を魚介類に求めていました。
まだ肉が手に入りにくく、肉を食べる習慣も広まっていなかったこと、さらに卵や魚卵が高級品として扱われていたことから、アラキドン酸は主に魚料理で摂られていたと考えられています。
その後肉が安定的に供給されるようになると、肉を食べる習慣が欧米からもたらされ、現在のように一般的になりました。
むしろ魚よりも肉の方が手に入りやすくなったほどで、一昔前とは完全に逆転しています。
豊富な脂肪を含む肉と、ヘルシーで栄養価の高い魚では、どちらが良いと決めつけることはできません。
しかし現代の日本人が肉食中心の食生活に傾いていることもまた事実。
アラキドン酸を含む脂肪酸の摂取量は、以前に比べて増加していると考えられます。

・脂肪酸の摂りすぎには注意
脂肪酸の摂りすぎは肥満やアレルギー体質を招く可能性があり、いくらアラキドン酸が体に良いからといって肉や魚ばかり食べるのはおすすめできません。
アラキドン酸は体に溜まりにくい不飽和脂肪酸ですが、他の栄養素もまんべんなく摂らなければ、体内で力を発揮することができません。
人間の体はさまざまな栄養成分がお互いにサポートし合いながら命を維持しています。
昔に比べて魚を食べなくなったといわれる現代人は、油ものや肉類中心の食事に偏りがちですが、健康維持を第一に考えるなら、脂質の摂りすぎには注意が必要です。

アラキドン酸はほとんど不足の心配のない栄養成分。
しかし健康に良いからといって脂質を摂りすぎると、健康被害を招く可能性もあります。
食事のバランスを見直し、ほどほどを守って色々な栄養素を摂取していきましょう。