魚料理

脳だけではなく全体で働いているアラキドン酸

必須脂肪酸の一種であるアラキドン酸は、DHAやEPAと並んで、人間の生命維持に必要な栄養成分といわれています。
脂肪酸や脂質はダイエットや美容の大敵と誤解されがちですが、実際は体の基礎的な部分をサポートする重要な成分です。
たとえば脂質は体のエネルギー源になりますし、アラキドン酸は脳の海馬(記憶力を司る部分)に多く存在し、体の細胞膜、血液、生体ホルモンの材料にもなっています。

・アラキドン酸は脳機能を活性化する
実はアラキドン酸はリノール酸を食事から摂ることで、体内で自動的にアラキドン酸として変化することができます。
しかし新生児や高齢者は変換機能が十分ではなく、アラキドン酸はアラキドン酸として食べ物から(赤ちゃんの場合はミルクから)補う必要があります。
アラキドン酸を補給することで、脳機能の海馬領域が正常化し、脳内の神経ネットワークがスムーズに活動して、他者とのコミュニケーションや発話、記憶したものを思い出す力などがつきます。
考えたり思い出す力がしっかりしていれば、家族やまわりの人との関係、自分自身で学んだり考えたりすることもできるようになります。

・アラキドン酸は体中で働く成分
アラキドン酸は、生体ホルモン・プロスタグランジンの材料になる成分。
生体ホルモンが生成されることによって、血圧調整や血圧低下作用、胃酸の分泌を抑制したり、体温調節や免疫機能の改善も期待できます。
ホルモンの働きは実に多様で、血圧や体温など自分でコントロールするのが難しい部分を正常化してくれます。
つまり、アラキドン酸は脳の記憶領域だけでなく、全身に健康効果をもたらしてくれる成分というわけですね。

アラキドン酸は毎日ふつうに食事をしていれば、それだけで必要摂取量が補えるといわれています。
食事から取り込むのがベストですが、難しい場合はサプリメントを使って補給もできるので、適量のアラキドン酸を摂って、全身の健康を目指していきましょう。