魚料理

アラキドン酸を含む食品と注意点

欧米型の肉類中心の食習慣となった現代日本人。
必須脂肪酸「アラキドン酸」の摂取量は、ここ50年のあいだに4倍にもなったといわれています。
今回はアラキドン酸を含む食品と、その注意点についてご紹介いたします。

・アラキドン酸を含む食品について
アラキドン酸を含む食品は、主に動物性食品に分類されます。
卵黄は1個あたり86mg含まれており、豚レバーには100gあたり300mgという含有量になります。
それ以外にも、わかめや真さば、いわしといった海の食べ物からもアラキドン酸を摂取できますが、それぞれ加工されたものに多く含まれているのが特徴です。
より効率よくアラキドン酸を摂取する場合には、わかめはカットわかめを、いわしは缶詰を、さらに真さばは干物になっているものを選んで食べましょう。

・過剰摂取に要注意
健康になりたいからと、アラキドン酸を含む食材を過剰摂取するのはおすすめできません。
アラキドン酸は食べ物に含まれる栄養成分であるため、過剰摂取をしても健康にプラスになることはなく、かえって脂質の摂りすぎや健康不良を招く可能性も。
むしろ適量を守り、基礎代謝量の中でカロリーコントロールをしながら食事内容を見直す方が、健康にも美容にも良い影響を与えます。

・アラキドン酸の摂取量と薬の違い
アラキドン酸にはさまざまな健康効果がありますが、"健康の万能薬"と考えるのは間違い。
あくまで脂肪酸の一種で、薬のように服用することで体に何らかの影響を即座に与えるものではありません。
「認知症の予防になる」という宣伝文句もみられますが、アラキドン酸を摂ったからすぐに認知症にならないと確約されるわけではないのです。
アラキドン酸を補うには、ふだんの食生活から意識していかなければなりません。
薬は医師から処方され、決められた期間飲み続けるものですが、アラキドン酸は肉や魚など豊富な栄養素を含む食材からまんべんなく、毎日継続して補っていくもの。
さらにいえば、一人あたりの一日の必要摂取量というものが決まっていません。
アラキドン酸に限らずいろいろな栄養素を食事から取り込んでいくことが大切かと思います。

アラキドン酸は人間に必須の成分ということで、今までに多くの研究や調査が行われてきました。
研究によると、アラキドン酸を摂ることで記憶や学習能力の向上のほか、生体ホルモンの材料となりコレステロール値を下げたり、体温維持にも影響があることが分かりました。

アラキドン酸はサプリメントとして商品化もされていますが、たくさん摂れば良いというわけではなく、毎日の食事がもっとも重要なポイント。
五大栄養素を中心に、広く栄養バランスを意識することが大切です。