魚料理

食事制限とアラキドン酸不足の可能性

アラキドン酸は食事で十分に補える栄養成分です。
健康に欠かせない必須脂肪酸ですが、どんな食材でも手に入る現代人の食生活なら、一般的な食事を続けていればまず不足する心配はありません。
しかし、極端な食事制限を行ってしまうと、思わぬカラダトラブルに繋がってしまいます。

・どんな食べ物を食事制限するとアラキドン酸は不足する?
アラキドン酸は肉や魚類といった食べ物に多く含まれています。
その中でも特に注目しておきたいのが青魚です。
鯖や鰤、鰯など、普段から当たり前のように摂取している魚には、数多くのアラキドン酸が含まれています。
特に缶詰として加工されているものについては、生で摂取するよりも多く含まれているため、アラキドン酸が不足している人ほど摂取すべきといえるでしょう。
また鶏卵には卵黄部分に多くのアラキドン酸が含まれています。
そのほかにも、肌の保湿を高めるステアリン酸や、ニキビを減らすパルミチン酸といった、複数の飽和脂肪酸が複数含まれているため、女性の方は見逃せないでしょう。
万が一、カロリーが多いから、といって卵を食べない日が続いてしまうと、思わぬカラダトラブルを引き起こしてしまうかもしれません。

・アラキドン酸が不足する人とは?
下記に該当する人は、アラキドン酸が不足する可能性のあるといえます。
①自力で食事が摂れない新生児や乳児
②健康管理や極端なダイエットのために、食事制限を設けている人
③食が細いあるいは健康状態の問題で十分な食事が摂れない方
④小食になりやすい高齢者

①の赤ちゃんや乳児については、母親の母乳や粉ミルクでアラキドン酸を補うことができるので、過剰に不足する心配はありません。
しかし、必須脂肪酸がまったく摂れない場合は、②~④と同じくアラキドン酸が不足する可能性はあります。
②の食事制限については、極端なダイエットや短期間でのシェイプアップ、あるいは菜食主義の行きすぎによってアラキドン酸が不足する可能性があります。
極端な食事制限は医師の判断を仰ぎながら行う必要がありますが、どうしても脂肪酸を食べ物から摂取できない場合はサプリメントを使うことで外から補給すると良いでしょう。

・アラキドン酸が不足すると危険?
必須脂肪酸が不足すると生命維持が不可能といわれていますが、アラキドン酸に限った場合、問題視されるのは記憶力や注意力の低下です。
アラキドン酸の役割は、脳内の神経ネットワークを活性化して、記憶や認知機能を正常に保つこと。
つまり、アラキドン酸の摂取がなくなると、記憶力の低下やもの忘れのリスクが高まります。
若い人や健康な人は、すぐに記憶力が低下する心配はありませんが、高齢者や栄養が極端に偏っている方は注意が必要かもしれません。

アラキドン酸だけに限らず、栄養素の偏りは健康上のトラブルを増やすおそれがあります。
ダイエットや無理な食事制限は避け、バランスの取れた食生活を心がけることが健康への近道。
毎日の食事にはいろいろな食材を組み合わせて、肉も魚も野菜も、まんべんなく食べるようにしましょう。