魚料理

アラキドン酸は胃の健康に有効?

アラキドン酸は体内で特有の代謝システムを持ち、「アラキドン酸カスケード」という名称で呼ばれています。
このアラキドン酸カスケードは、どこでどのように作用するかが未解明であり、現在研究が進んでいる分野でもあります。
分かっている事としては、体内で炎症を発生させたり、同時に炎症を鎮静させる作用もあるということで、必ずしも人間の健康に良い影響を及ぼすとは限りません。
最悪の場合、「悪性エイコサノイド」という成分を血液にのせて運び、炎症や疾患を引き起こすケースもあります

・アラキドン酸と胃の関係
アラキドン酸カスケードではさまざまな物質が作られますが、「シクロオキシゲナーゼ」という物質がアラキドン酸に反応するサイクル「シクロオキシゲナーゼ経路」では、プロスタグランジンという物質が作られます。
プロスタグランジンには血管拡張や胃粘膜の保護作用などがあるとされ、先ほど述べた炎症作用や疾患を引き起こす悪い作用とは真逆の、胃にやさしく体にもうれしい反応となります。
とはいえ、アラキドン酸は脂肪酸の一種であり脂質の中に含まれる成分。
いくら健康に良いからといって大量に摂取すると、先ほどのような炎症作用などが現れてきたり、それ以外の疾患につながるおそれもあります。
アラキドン酸は肉や魚に多く含まれていますから、「動物性たんぱく質をたくさん摂れば健康になるかも」と考えがちですが、食事の偏りは健康上大きなリスクを伴います。
適度に摂取するからこそ健康が守られるのであって、一番は自分の体質や代謝に見合った栄養摂取を続けることではないでしょうか。

脳の情報伝達と健康維持に欠かせない物質ですが、アラキドン酸は胃粘膜を保護するプロスタグランジンなどの生成にも深く関わっています。
ただし、薬やサプリメントとは違って栄養成分の一つであるので、たくさん摂取したからといって健康に即座に影響するわけではありません。
アラキドン酸を摂るときはまず食生活を見直し、暴飲暴食は控え、胃と腸にやさしい食事を心がけるようにしましょう。